2015/07/04

ステキなPR

わたくしPR会社勤務ですが、先日、初対面の方と名刺交換した瞬間、大きな声で

 「この会社知ってる、前勤めてた!ご愁傷さまー」

といった言葉を浴びせられ、意気消沈することがありました。

米国から来日した教授のビジネススクール公開授業に参加した後で、学長、教授、生徒たちがいる前でだったので、コノヤロウと思いながらも、

 「いやいや、そんな!当社にいらっしゃった先輩なんですね。変化してますが、それは将来への礎だから、いいことだと思ってます。よろしくご指導ください、せんぱい」

と返すと、脇にいたイノベーションを専門にしている教授も

 「その通り。変化は将来への礎ですね」

とあわせてくださいました。

 

その方は当社を退社後、他の代理店、製薬会社、そして今勤務する自動車会社に転職されて、現在働きながら国内のビジネススクールに通っているところ、とのことでした。

怒り心頭が一周半ぐらいしたところで、あの方はよほど気の毒なことがあったのだろう、と思い直し、当時の同僚に聞いてみたら、そうでもなかったようでした。同情して損した。

 

思うに、なんですが、どんな背景で転職しても、どんなに箔が付くキャリアを構築しても、どんなにいいビジネススクールのMBAなりPhDなり取っても、どんなに多言語を操れても、人間クサッたらいけないな、と思いました。


さて、PR会社勤務というと、冷たい態度を取られることがあります。

そもそもPRの解釈が狭義にとどまることが多く、PR会社の仕事は扇動を促すことと誤解(←そんな案件受けません)されたり、マスコミ記者に「PR会社はいらない」と公言(←クライアント要望とのジレンマ発生)されたり。

PR会社のPR不足、紺屋の白袴ですね。

 

わたし自身、30歳過ぎるまでPR会社に勤めるとは考えたことありませんでした。

そもそも一番最初につきたいと思った職業は教師でした。

 

高校から大学にかけて新聞記者になりたいと思い、日本の大学でマスコミゼミに入り、アメリカでジャーナリズムを専攻したこともありました。が、就職するころ方向転換し、今後の時代を支えるテクノロジー分野で就職したいと思ってシステム会社に入り紆余曲折を経てここに至ります

 

しかしここ数年で、PR会社の位置づけを変えるチャンスが来ている、と思っています。

ソーシャルメディア、モバイルデバイス、オムニチャネルの発展により情報流通のあり方が変わるなか、旧来のPR会社業務にあったマスコミにプレスリリースを持参するような類の代行作業の需要は減少しています。

一方、企業コミュニケーションの革新をもたらす発想と実行力への需要は高まっています。

従来マスコミ対応にあてていたPRのリソースを、企業コンテンツ生成と拡散やステークホルダーとの対話、全社的コミュニケーションにあてるよう、PR会社も業態転換すればよいワケです。さもなくば淘汰されると思いますが。

 

と、初対面の方の発言からマジメに考えてしまいましたが、ともあれ、結論はひとつ。

どんな会社も中心は人。素敵なひとと一緒にステキなPR活動を推進できるよう、尽力したいと思いました。