2016/03/21

ジャーナリズム・イノベーション・アワード2016

3月12日、日本ジャーナリスト教育センター(JCEJ)主催の第2回目「ジャーナリズム・イノベーション・アワード2016」にて、『赤ちゃんにきびしい国で、赤ちゃんが増えるはずがない。』で17万いいねを集めた書籍サイト、各種ニュースサイトに執筆する境治さん出展の「赤ちゃんにやさしい国へ」のお手伝いをしてきました。

 

折しも保育園落ちた日本死ね!!!」に端を発する、保育環境の改善に向けた動きを少しでも支援したかったところ、土曜なので身体も空き、真っ先に手を挙げた次第でした。

境ブースは入口の真ん前とすばらしいクジ運。そしてこのロケーションも展示物も、もちろん執筆物もすべて境さんの作品。

 

わたしはただの展示要員でしたが、13時の開場から徐々にかつ劇的に込み合う会場のなかで、17時終了の選出者プレゼン開始まで、喉を枯らして境さんの半生と著作について2分バージョンに縮めてしゃべり続けました。

 

「境が...」と敬称略して説明しながら、しまいに「すごいですよねー」と本音を加えて、来場者に笑われていました(笑)。

写真:JCEJ:日本ジャーナリスト教育センター @jcejinfo

来場者の投票とプレゼンで決まる最優秀賞は、首都大学東京渡邉英徳研究室と沖縄タイムス社、GIS沖縄研究室が共同制作した「沖縄戦デジタルアーカイブ」でした。昨年の最優秀賞と優秀賞が組んだ同チームは純血の横綱といった風格。

優秀賞は朝日新聞デジタル編集部の「築地 時代の台所」、宮崎てげてげ通信の「2015年テゲツー!で最もよまれた記事は?【人気記事ランキング】」。以下の入賞は日本経済新聞社の「データディスカバリー」と読売新聞社の「検証・戦争責任」。

決勝に進んだ山本一郎氏の「山本一郎、戦いの軌跡」は、無効票でトロフィーを逃すというお決まりのような笑いを誘っていました。

 

授賞式を見て、研究者とジャーナリストの純血王者「沖縄戦デジタルアーカイブ」と、地域のパワーを結集した宮崎てげてげ通信は、このアワードらしさを表しているのかな、と思いました。

一方で、既存ジャーナリズムの雄ともいえる全国紙は、負けられないという気概から多くの来場者を動員し、組織票を集めたのかな、という印象でした。

さすがの緻密な報道の質を誇る全国紙のプロジェクトは、ある意味あくまでも❝ジャーナリズムの革新とは❞という議論の発端となったに過ぎない気がしました。「イノベーションってなんだっけ?」という議論が、閉会しても続きました。

 

正直、この会でもっとも素晴らしかったのは、この限られた空間、時間での出会いでした。

朝日新聞の新聞紙学的を執筆、対談なども行う平和博氏とお会いでき、デジタル、テクノロジーとジャーナリズムという大好物の話題の宝庫に興奮しました。

また、朝日新聞のクラウドファンディング「A-port」は、竹下隆一郎氏が手書きポスターを交えて「報道しっぱなしでなく、実現を通して社会に資する」という活動をプレゼンされ、他ブースでは一番心に刺さりました。

あ、結局、朝日新聞に心をつかまれていた次第でした。

 

たった一日の祭典でしたが、記録し伝えることの大切さ、革新の重要性、ジャーナリズムの多様性について考えさせられました。

さらには、赤ちゃんにやさしい国を目指す個人が、メディアを通じて拡幅する力を持てる時代に感謝した日でした。

  

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